教室バロック
しばらく、二人の押し問答
「 お 俺っ
人と風呂入った事ない、からっ 」
「 お前が思ってる程
他人はお前の事なんかみちゃいねえよ 」
湯浅がガタゴト騒がしい音に驚いて
跳び起きる
オレは二人の間に、割って入った
「 ちょっと待て! 那智!
真田の意見も、少し聞いてやれや!」
「 バーカ
…そうやって待ってやって
でもこいつは臆病だから話さない
それでドンドン内にも外にも
垢が溜まって行って
そうやってドンドン誰も
近付かなくなるんだろうが! 」
「 だからって
…何かスゲエ気にしてる事が
真田にはあるかもしんねえだろ?! 」
「 菓子一日中貪り食って運動もしねえで
気にするも何もねえだろが! 」
「 無理強いはすんなっつってんだよ!!
行くなら人のいない時間なり
いくらでもあるだろうが! 」
「 うるせーなあ
夜は俺が眠いんだよ!!
…何だよ空哉、その目はよ
――― やんのかコラ あ ?!」
「 ああ?! 上等だテメエ!! 」
つかみ合いになった途端
湯浅の大笑いが部屋に響く
『 何笑ってんだよ!!! 』
那智とオレの声が重なり
湯浅の上に降る
一瞬ビクッとしていたけど
すぐに湯浅は、ケラケラと笑い出した