教室バロック






カコーンと

白い湯気が沸き立つ大浴場に、
まだ笑いのとまらない湯浅が
桶を置く音が響く



那智とオレは天井を眺めながら
四肢を伸ばして湯に浸かり
『 あー 』と低い声をあげた


真田は洗い場の端に座って
一生懸命頭を洗っている



「 …まあ

空哉に言われた瞬間

あー… 風呂っつうと
色々気にする事もあんのかって
気がついたけどさ…

中学校の修学旅行で、
そんな奴らいたなあとか思い出した 」



「 オレが小学生の時そうだったからな 」


「 え?! なんで 」


「 今じゃこんなに背も伸びたけど
髪の毛茶色いし、体も小せえし

ガキって遠慮知らずだから
『 女じゃねえのか?! 』ってさ 」


「 …やり返せよそんなの 」


「 やり返したぞモチロン

日本に戻って来たばっかで、
言葉あんまりわかんなかったけど
そういう" 悪口 "のニュアンスって
何でかわかるんだよな

だから、メンドクセエし
全員ぶちのめした 」


那智が大声で笑う





< 151 / 287 >

この作品をシェア

pagetop