教室バロック




「 そうだ
空哉ってハーフかなんかか?
目も茶色いさ 」


「 沖縄だからじゃないか? 」


「 あーなるほどねー
RAKUTOとか、
日本人離れした顔してるもんな



…そういや
ガキの会話ってさ

今聞くと、片言で、何言ってんのか
さっぱりわかんねえ時あるじゃん 」


「 おう 」


「 あれ、自分が当時子供だった時は
お互い通じてたよな

" あべし "位しか言えないのによ 」



「 …そういやそうだな 何でだろ 」



「 真田ー!! 体洗ったかー?! 」



「 う、うん 」


真田が怖ず怖ずと
それでもかなり何か、
ストレスが抜けた感じで

少し気の抜けた表情をしながら
頭だけこっちに向けた



「 真田 冷えるから湯、入れよ
恥ずかしかったら湯舟前まで
タオル巻いとけ

入ったら見えねえからさ 」


「 … う、うん 」




湯浅が再び笑いながら
ゆっくりと湯に入って来る


「 湯浅
何がそんなにツボにハマったんだよ 」


不機嫌にオレが言うと
湯浅がメガネを外した顔を洗う



「 …だって
なんか、イイヤツだなあってさ
二人共

なんか、
ど、童貞と恋愛経験者の違いっていうか
……心使い? 」



「 なんだよそりゃ 」


那智が苦笑しながら
デカイ浴槽の、ヘリに座りながら言う



「 湯浅は、まだなんか? 」





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