教室バロック
真田が呟いた
「 … 螺旋世界・ユグドラシルの作者も、
… ありす描き始めたのって
ずっと一緒にいた人と結婚してから… 」
「 ふ〜ん… " 売れ線 "? 」
「 … そう 」
しばらくオレ達は黙って
吹き抜けの天井
高い場所にある窓ガラスの
向こうにある宵闇を眺める
「 …まあ
砂漠のど真ん中で砂売っても
売れねえからな… 」
オレがそうつぶやくと
那智が笑って言う
「 それを 捜しに行く奴らを
" マニア "っつ〜んだな 」
真田が、子供の様に頷いて笑った
湯からザバリと体をあげた湯浅が
洗い場に行き、シャワーをかけて止めた
「 皆! お、俺
のぼせそうだから先あがるね!
そろそろ夕ごはんだし! 」
バタピシャと
湯気の中を出て行く後ろ姿を見送り
那智が不服そうに、縁に腕をかけ言った
「 …… 湯浅、でけえな 」