教室バロック








ホテルに着くと

窓際のテーブルの上で
様々な土産物を拡げる、真田と湯川の姿



「 お帰りー! 空哉 」


「 おかえり 」


「 おう! ただいま
 そっちもおかえり! 」



「 那智も帰って来てるんだけど
女子の部屋かなんか行くって出ていった

空哉、何お土産買って来たの? 」


「 湯葉 買って来た
豆腐も食ってきたんだけど
めちゃめちゃ美味かったぞ 」


「 へ〜!
こっちは、一条戻り橋とか
清明神社行って来たんだ! 」

『式神の像があった』と
湯川は嬉しそうに笑って
胸にさげた星印を持って見せる




半開きのドア
廊下を行き交う帰還の群れ

コンコン と音がして
比奈村の姿がそこから覗いた


「 お? 」



廊下まで出る

隣の部屋からは、ゲームでもしているのか
勝った負けたでギャーギャー騒ぐ声


「 うおっ!悪い!空哉 」

隣から
回転しながら飛び出て来た
クラスの桑島が
『バツゲームしてくる!』と走り去った



「 おー?! どんなバツゲームー?! 」


「 柏のジャージ下げて
半パン写真とって来る!! 」




隣の部屋のドアから首を出して
様子を見ていた連中も

廊下ですれ違うヤツらも
それを聞いて、ドッと大爆笑した



「 空哉!
お前もこっちの部屋来いよ!
バツゲームに、お前のデコピン必須だ!」


「 真木〜!
お菓子もあるからおいで〜 」




「 おう! 後で行く!





   …どうした? 比奈 」










< 160 / 287 >

この作品をシェア

pagetop