教室バロック



「 … 見ちゃったんだよね 結局 」


「 んで退院延びたんだろ? 」


「 信じらんないよね〜
いくら退屈だって連発してたとしても〜 」



「 …ミツコは "察する"って事
かなりニガテだからな 」



「 空気は、確かに、読めない。
何度恥かいたか… 」



「 でも比奈は
ずっと一緒にいたじゃねえか

…怖い目にあっても 」



「 ……… 」





ホテルの広間
ガラスの向こうのテーブルと椅子に

書類を抱えた先生達が
ドヤドヤと集まって来る


「 あ、花さんだ 」



比奈が手を降ると
花さんも手を振り返して来て

柏がシブイ顔で、
『 散れ散れ 』とジェスチャーする


「 ―― あ、
あの柏の手元にある携帯、桑島のだ 」


「 ええっ?! じゃあ半パン失敗?! 」


「 じゃねえかな? 」



比奈は大声で笑い
『あ〜 おかしい』と息を吐いた後

オレの目を、ジッと見た





「 ―― 真木は


もしかしたら、ミツコが退院したら
ずっと、傍にいるつもり? 」









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