教室バロック






「 先生の頃は、
ダンスパーティーあったんだけど
残念だよ〜 」


「 なんで無くなったの〜? 」


「 え、う… う〜ん… 」


「 つか、何で伊藤がいんだよ! 」


「 花ちゃんに呼ばれたんだも〜ん

ね? 花ちゃん 」


「 うん 毎日コンビニ食品は
やっぱりよくないもの

せっかく空哉くんのお弁当
皆でご馳走になれるんだから! 」


「 …いつの間に
そんな話になってんだよ那智

―― オマエが昼欲しいって言うから 」



「 まままま

… いいじゃん、口実 口実
二人っきりじゃ 俺なに話していいか 」



日の当たる中庭
花さんの腕に絡み付き、
芝生に座り込む伊藤と

オレが誘った湯浅は、
コンビニ袋を持ちながら
普段馴染みの無い連中の集結に戸惑いつつ
どこらへんに座ろうかと右往左往している




『 お〜!! 豪華〜! 』



歓声のあがった、ウチからの弁当は
普段にも増して 一層重かった


「 アタシ! フライドチキン! 」

「 あっ おまえ全部とんなよ!
信じられねえこの女ーー 」


「 はい 花ちゃん♪ 」


「 あっ ありがとう! 伊藤さん 」


女二人、顔を見合わせながら
また弁当に手を延ばし
フライドポテトを口に運ぶ



「 そっ…!
そういえば、
本当にパーティー無くなったのは
なんでなんだろうね?! 」と
湯浅が、行った筈の会話を
また蒸し返してしまった





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