教室バロック



先生の部屋は柔らかいピンクのカーテン



那智と伊藤が二人で
ぎゃーぎゃー言い合いながら
テレビゲームで遊んでいた


「 …伊藤 」


「 あ! 空哉!
ちょっと那智代われ!
あんたゲーム弱すぎ!話になんない! 」

「 はあ?!ふざけんなよ 」



「 伊藤さん 那智くん

朝ごはん食べようか
そしたら先生、皆の家に送って行くから 」


「 えっ!ヤダ
あ、花さんもやろーよー!
さっき、花さんのハイスコア
抜かしたからね! 」


「 なっっ!!
けっ結構私、このゲーム自信あるし! 」




「 …伊藤、
ここはオマエの友達の家じゃねえ
先生んちだ 」




オレがそう言うとミツコは
ふん って感じで、頬を膨らませた

こういうクセって
変わらないんだなと思う


そして
いきなり床に仰向けになったかと思うと
そのまま上目使いにこっちを見ながら

包帯をしてもらった腕を伸ばして
無邪気に笑いながら言った



「 花さんとお揃いだもん

ね? 花さん 」













    今、わかった







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