教室バロック



「 離しなさい二人共!
あの子、あのまんまじゃ駄目! 」


那智が叫ぶ

「 俺だって…
さんざん言ったんだよ花さん!

…最初は俺だって
ちゃんと好きだった!!

空哉とつきあってるの知ってても

――― あっという間に
手の中に転がり込んできたけど

そういう風に、すぐ手の平返す奴は
すぐ同じ様に次に行く!

いくら言ったって
大きなお世話っ…て
言われるだけなんだよ! 」



「 …友達は?!
伊藤さん、ちゃんと、クラスの女子に
携帯電話聞かれてるとこ見た…

女友達に相談出来れば… 」



「 女連中があいつに携番聞く理由は
…拒否る為だよ!!

彼女いるいない関係なくだから
本気で女子にきらわれてる! 」


「 …比奈村さんは?!
学園祭で、空哉くんと一緒に組んで
すごい盛り上げてくれたよね?!
あの子皆と仲良くて…彼女は?! 」



「 …比奈村が

世話のやけるミツコの面倒見る感じで、
最初、アイツらは大親友だったよ 」





「 ―― 今は、違うの…? 」




「  違う

―――― いいよな?空哉

この際、全部いうけど
比奈村は本気で心配してた

…でも
いつも一緒にいると
…… 同じような女って見られて

伊藤に女から、
カラオケ行こうって電話かかって来て
比奈村も一緒に行ったら

他校の男…
五、六人に襲われかけた 」





花さんは絶句して
口元を抑える




「 …比奈村は途中から
どうもおかしいって気が付いてて
携帯、通話にしたまま
空哉に助けを求めた
それで橘とか、あの辺皆で乗り込んで


比奈村がどんなに善人だって
こわくなって離れても当然だろ?


それでも友達でいろなんて
―――… 誰もいえないよ 花さん 」







< 70 / 287 >

この作品をシェア

pagetop