教室バロック





桜の散る風景


日差しに照らされて、
白い校舎が反射してる






しぶしぶでも母親が、
オレを日本に置いていく事を
承知した理由はすぐにわかった

残る条件は

『 父親の、兄貴の家に住む事 』


少し前までは
父親の兄貴、裕也おじさんが
ずっと外国に行っていた

オレがかなり小さい頃
親戚の結婚式で会って、面識はそれ位

住んでいた場所が、かなり物騒になって来て
それで日本に戻って来たらしい


家族構成は、おじさん、おばさん
双子のちいさな姉妹



他人の輪に入る事は
それほど苦痛じゃない
少しだけ覚えている叔父さん夫婦は
とても優しかったし


むしろ、『自由になれる』
その喜びのが大きくて

空港で見送る時に、母親が

『 裕也さんを見習って、
言う事を聞いてね
体に気をつけてね 』


そう言った時も、心の中では歓喜していた



だけど
その歓喜はすぐに、
ガク然の言葉に変わった






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