教室バロック










―― 珍しく花さんも、お昼に来てた





「 真木、あのさ…

こんな事、無理かもしれないけど

――― ミツコとまた付き合うって…

無理だよね… 」


「 うん 」




「 … じゃあ、私も無理だね 」

「 何でオマエの話んなんの? 」



「 ―― 真木の事

ずっと好きだよ、私


… 学園祭も、
真木が実行委員のリーダーやるって聞いて
一緒にやりたくて立候補した


…中三になって
ミツコと付き合うって聞いた時も

私達、ずっと仲よかったから
ミツコの事も大好きだったから 」


「 何でムリとか言ってんだ? 」




「 …… 私もう
二人、知ってるし 」




「 ―― ちゃんと好きだったんだろ?
その二人の事 」



「 うん 」


「 … なら何にも問題ねえよ

オレはさ


――― 別に誰が何人知ってようと

…まあ いいや


つかよー
オマエ、告って来るなら、
バレンタインとか

しかもトイレの前って 」


「 わああ?! 」



「 …オレ ちゃんと好きだって思えないと
つきあえないからよ

比奈村の事は昔っから知ってるから
イイ奴なのはわかってるからさ 」



「 …うん 」



「 ―― 次の日曜日でも
どっか、遊び行く?

ちょうど橘とかと、
服見に行くかって話しててな

ついでに映画みたり、メシ食ったり

オマエも誰か連れて来いや 」



「 ――― うん!! 」






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