仮想世界に生きる少年
俺は息がつまりそうだった。



俺は神山に話しかけた。




「神山、ナナミはどうしたんだ」



「今は病院にいるよ。
子供が産まれて、しばらくは病院に入院することになってたから」



「そうか…。子供は男の子か、女の子か」



「男の子だよ…」



「名前は何にしたんだ」



「アキトだよ」



「アキトか…」



「うん…」






それからしばらく沈黙が続いた。



いつも以上に神山が無口だった。


俺は気になった。





「神山、疲れているのか」


「ううん、大丈夫」


「今日はどんな事をしたんだ」



「基地を二つと奇襲部隊を三つ潰しただけだよ…」



「そんなことを毎日やっているのか」



「うん、今日はいい方だよ。数が少なかったしね…」



「それじゃあ疲れるだろ」



「疲れはしないんだけど…手加減するのに別の能力と一緒に能力を使う必要があるから…」



「そんなに厳しいんなら手加減しなければいいじゃないか。
いつまでも手加減しているから、懲りずに攻めてくるんだよ」



「でも、そうしないと僕が僕じゃいられなくなるんだ」
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