仮想世界に生きる少年
「最終ボスに会えなかった…」


「…」


「だけど、旅をして知ったことは『情報は売れる』ということだった。
俺はモンスターを倒すのを止めて情報を売った。
儲かるから情報を集めて他の国に売る。
それの繰り返しをしていて気づいたことがあるんだ」


「何…」


「俺が情報を売った国は発展して売られた国は滅びたんだ。
俺は面白くなって一つの国に情報を売ることにした。
すると世界は一つの国になった。
それでゲームは終了するわけだ。
争いのない世界になったってことで」



「そんなゲームだったんだ」






「ただ、一つ問題があった」





アカネは俺の話に興味津津だ。





「ゲームをクリアするのに十年かかった」


「十年…そうよね。学校とかあるから」


「いいや。俺は中学までずっと家でゲームをしていたんだ」


「…不登校」


「だが、ゲームを攻略したことである能力をついた」


「それが『分身』能力ね」



「いいや、情報収集能力だ」
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