仮想世界に生きる少年
「二つの忠告をさせてもらった。
一つ目はこのまま、『ヘブン』の状況がかららない場合は世界が滅んでしまうという点だ。
二つ目が開発技術の流出許可だ」








「一つ目はわかるけど、二つ目はわからないわ」







辻本の反応は予想通りだった。






「この二つについて説明をしてもいいか」







「いいわ。そのかわり納得する説明をしてよね」








「ああ」








俺は考えを一気にまとめて話し始めた。











「一つ目の『世界が滅んでしまうという点』というのは、この国以外は発展していないことを意味しているんだ。
それほどまでにこの国の技術力は世界の圧倒しているんだ。
この国が儲かれば、儲かるほど、他の国はそれだけ儲からず、結果として滅んでしまう。
つまり、この国以外が滅ぶことを意味しているんだ。
二つ目の『開発技術の流出許可』は、それの改善案なんだ。
一度、技術を流出して、技術レベルをこの国の基準にする。
そうすることで競争社会により、他の国も『ヘブン』同様の国に生まれ変わることなんだ」












俺は自分の考えた策を辻本に相談した。







しかし、顔色を見たが、良い反応をしていなかった。










「辻本、総長としての意見を聞かせてくれないか」











俺は自分を信じて書いたレポートを話したんだ。







どんな答えにも勝つことができる自身があった。
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