仮想世界に生きる少年
「確かにいいわ。内容もしっかりしていると思う。
でも、許可はできないわ」







「どうして」







「これは『Cの世界』を造る前に決めたことがあるの。
現在は『G』の存在を知って改善されたものとなっているけど」








「どんな内容なんだ」








「徹底的に他の国よりも差を付けること。
それを目指しているの。
現在では、他の国よりも技術力が三倍進んでいるの。
それでも、まだ差を付けるのには理由があるの」










「それが『G』か」







「そうよ。
彼らを壊滅させないと意味がない。
彼らがいると、将来的に才能を重視する世界に戻る可能性がある。
それだけは回避したいの」








「『G』か。
彼らを倒せば、他の国もこの国同様の技術力を提供するってことでいいんだな」











「そうよ。だから、今はまだ山本の書いた内容は実現できない」












「…わかった」












俺は辻本の答えに納得した。






結果として『G』がいないならば実現できるからだ。













「山本、そのレポートの内容はどうして思いついたんだ」
< 127 / 164 >

この作品をシェア

pagetop