仮想世界に生きる少年
5. 目的
ここまでは別に他の人に話してもいいことだ。



ただ、『infinite information』のことだから別に現在の俺の情報を流したことにはならない。



しかし、この話をすることができて今日満足だ。






俺は煙草を灰皿ケースに入れた。





「情報収集能力って『才能』なの」


「先天的なものじゃない。
後天的なものだ。
それを見込まれて俺は『C』に入ったんだ」


「そうなの。それでどんなことをしているの」


「それは話せない」


「なんで…。始めに言っただろ。
俺は自分の情報を話さない」


「でも、話した」


「ここまでの話は全て俺の自慢だし、話しても相手が特になる話は何もない」


「得ならある。『infinite information』の攻略とか…」


「あのゲームは毎日二十時間以上やって十年かかったんだぞ。
攻略を知ったところでクリアできないさ」


「…」


「そんなことよりも神山はどうしたんだ。
なんで今日来なかったんだ」


「ナナミにもうじき子供が産まれるから、近くに居たいって言われたの」


「そうか。神山ももうすぐお父さんか」


「それにミコトとナナミは結婚もしたわよ。四年ほど前に」


「アカネは結婚しないのか。
もう二十七になるんだし」
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