仮想世界に生きる少年
「昔のデータは残っているんだろうな」







「残っているわ。
無線装置として扱っているけど、装置内部のハードディスクに過去のデータを保管しているわ。
これは極秘だから、ほとんど知られていないけど」









「システムをハードディスクで行っているのか」







「ディスクはただの保管装置よ。システムとは関係がないわ。緊急時のデータを書き込むときに使用されるものよ」







「つまり、保管装置はハードディスクってことか」






「そうよ」







「書き込みをした場合はどうなるんだ」






「自動的に全データが消去する仕組みよ。
その場合は、この施設内のデータを全て書き込まれるのよ。
同時にそれ以外のデータは消去するけどね」







「普通、サーバにそのシステムを入れるんじゃないのか」







「私たち『W』の考えは、連絡が命なの。
それ以上重要なものがないほどに」








「そうか」










ここまで来る時に考えたのは、もし保管装置が壊れていたらどうするべきかだった。








しかし、今も稼働しているのだからその方面はなさそうだった。









あとは俺がアクセスすればいいだけだ。
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