仮想世界に生きる少年
ここまで来て弱気になるとは思わなかった。







周囲を見ると仕事をしている奴があと一人になった。






ヨシトは俺の『キャンセラー』を外してくれた。





外している最中、ヨシトがアウルを殺す場面が脳裏に浮かんだ。








俺は頭を振り、悪いイメージを追い払った。



















俺は予定を確認するために辻本に作業開始時刻を聞いた。



「辻本、いつ頃始めるんだ」





「最後の一人が仕事を終えたらすぐにやるわ」




「…そうか」









俺は深呼吸をした。






心を落ち着かせ、目的の事以外は考えない。





ただ『できる』と自分自身を信じればいい。









「終わりました」









辻本の部下が報告した。









「わかったわ」










辻本は局長席を操作していた。






何をしているのだろうか。







辻本を見ながら余計な事を一つ考えてしまった。















そう言えば、無線装置ってどこにあるんだ…
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