仮想世界に生きる少年
「私は結婚したくない」


「そうか…例のヨシトとかいう人はどうなんだ。
案外嫌いと言っておいて本当は好きなんてことがあるだろ」


「山本…私怒るわよ」


「冗談だよ。基地一つ破壊した人に俺が勝てるわけないだろ」


「そうね。久々に会ったんだから何か話してよ」


「だから、俺は情報を話さないって言っただろ。
『ヘブン』のことについて聞かせてくれ。
俺はこの十年帰ってないからどんな国になったのか話でしか知らないんだ」


「いいわよ」





俺は辻本から『ヘブン』のことについて教えてもらった。






『W』が『ヘブン』を乗っ取り、世界の研究者や技術者を『ヘブン』に集めて世界トップにまでしたことは知っている。
けど、どんな国になっているのかがわからない。





辻本の話を聞いてわかったことは『強制』という世界だった。






『ヘブン』では『才能』には一切皆無である。





そのかわり、勉学に努めている。




才能の教育をしないでそのほかの能力を向上させる。


現在でも『才能』を呼びかける者もいるがそのものは『W』が排除する。


この排除とは国から追放するものであった。


国民は『W』に逆らうことができずに従い、気がつくと世界最高レベルの知識を得ることになった。


それもあり、今では才能よりも学問に力を入れ始めた。
< 14 / 164 >

この作品をシェア

pagetop