仮想世界に生きる少年
「どういう意味だ」





「私たちは『選択の石』が落下するまでの時間で人類が助からないと決断した。
そこであるプロジェクトが発動した」






「あるプロジェクト…」








「人々を一時的に保存する計画だ」








「保管…」









「その当時、最新の技術がメモリー。
つまり、保存装置だった。
特殊な液体を使うことで水5[ml]で100万『T』の容量保存する技術があったんだ。
そこで我々は人類を保管することを思いついた。
何億人もの人々を、一か所の…プールのような場所に入れ、保管することに成功した」









「保管してどうなったんだ」







「現在も保管状態を保っている」












「…そんなもの、見たことがないぞ。
俺は世界を旅してきた。
だが、そんな情報は一度もなかった」












「それもそうだ。
保管されている人々の思考回路の世界がこの世界なのだからね」













「それじゃあ…」



















「それが、本当の『計画名:ワールド・ディフェンス』なんだ」
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