仮想世界に生きる少年
38. 必然
「超越者がこの世界から出れる手段の一つか…」




俺は金本の話を聞くのが厳しくなってきた。





突然世界が別の世界など誰が信じられるか…










煙草が吸いたくて仕方がない。








「我々の世界ではモニターから仮想世界を見なければならなかった。
情報の流出を防ぐためにも…また世界の矛盾点を造らないためにも」






「それなのにアクセスをしたのか」










「我々はモニターからこの仮想世界を見て、異変に気付いた。
そして、禁止された手段である仮想世界へのアクセスをした。
アクセスをして内部で対立が起きた。
我々は対立を防ぐことができず、管理者達の対立が起きた。
さらに仮想世界を現実の世界にしようとした。
彼らは組織名『G』と名乗り、世界を造った『神』として世界を守る立場になった。
我々管理側からしてみれば、迷惑な話だ。
我々は世界のバランスを…つまり『能力』と『勉学』のバランスを保ちたかったからだ」









「どうしてそこまでバランスにこだわるんだ」











「我々の仕事は管理だ。
そして、もし我々の世界が人間の暮らせる環境にまで戻った場合には仮想世界の人間を戻さないといけない。
しかし、『能力』の使えない生活に仮想世界の住人ははたして生きていけるのか。
我々はその現状を防ぐためにバランスを保ちたかった」












「だが、俺達の『神』、そしてあんたらの仲間が造った『G』により、『能力』を中心の世界となったのか」










「そうだ。
我々の仲間はその問題点を改善するために対抗をした。
それが…」














「『W』ってことか」
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