仮想世界に生きる少年

「ああ、聞いたことがある」










「ただの高校生が活動し始めてから、『G』の天敵であり、我々の救世主となった。
我々は世界を正しい方向に導いてくれると願っている」











「アンタは動かないのか。ただ見るだけか」










「言ったはずだ。私は『伝える』ことが使命なんだ。
これは『W』を設立したときに決めたことだ。
伝えるために私は君がプレイした『infinite information』を造った。
さらに『w』内にファイルを保管した。
また、このような話を人に伝えて来た」











「その結果が俺のような者か」












「そのとおり。ユキ君に聞きたい。
君にとって『infinite information』に流れた映像の情報は何分の一だ」














「無限大分の一だ」









「つまりゼロか…」











「いいや、限りなくゼロだ。情報が少なすぎる」












「けれども、君は見つけることができた。
総長の持つ『鍵』を入れなければ見つけられない『超越者』の書かれたファイルを見つけた。
こんなに早く見つかる者がいるとは思わなかった」















「ハッキリ言わせてもらう。
アンタが用意したこの時間を体験する奴なんて俺以外にはいないだろ」











「どうしてだ」