仮想世界に生きる少年
8. 世界
俺は『分身』能力のことを『アバター』と呼んでいた。


現実に生きる俺自身と現実を体験する『アバター』の使い道を有効にしなくてはならない。


高校に行く時、自分自身を置いて、『分身』能力を使い、高校まで移動した。







俺は高校に着き、周囲を確認して侵入した。


テスト用紙がどこにあるかなんてわからない。


ただ、探せば見つかるだろう。






俺は学校に侵入して一つ一つ部屋を確認した。





その中に『職員室』と書かれた部屋に入った。



部屋には書類や本やPCがずらりと並んでいた。


この状況の中でテストを探すのは不可能だと考えた。


こういうものは厳重に保管されているはずだ。


俺は家政婦に電話をして通知内容を教えてもらった。





拝啓 ようやくしのぎやすい季節になりましたが山本様はご清祥にお過ごしのこととお慶び申し上げます。
この度は、我が校の進学をご希望とのことですが、進学に先立ちまして一度、学力調査をすることが決まりました。○月○日、私立青竜学園で行います。
どうか、あしからずご了承くだしませ。
敬具





俺は文章のことなどどうでもよかった。


家政婦に聞きたいのは差出人が誰なのかだ。


家政婦は書かれていないと言った。文章もPCで書かれているらしい。


手掛かりなしか…




さて、どうすればいいか…
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