仮想世界に生きる少年
「先生を見ろよ。お前を見て怒った顔しているぞ」


「君は…」


「俺は前田だ」


「そんなことを聞いているんじゃない。
なんで話しかけた」


「当たり前だろ。クラスメイトなんだから」


「クラスメイトなら何でもしていいのか」


「そんなことは言ってないだろ」


「でもしただろ」






俺は前田という男を見つめた。


目を見つめ、凝視した。


前田は困っていた。






「こら、そこ。話さない」




兵頭先生が俺のことを怒った。




「すみません」





「それじゃあ、予定通り、体育館で始業式をするので廊下に並んでくれ」






皆が動き出した。




俺も皆の後ろに付いて移動した。







やっぱり、わからない。






こんなところで一日を過ごして何になるんだ。








時間の無駄だ。
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