仮想世界に生きる少年
俺は考えた。



伊藤は嘘を言っているのだと思えたからだ。



この前、自宅で話した内容と今話している内容に食い違う点がある。







一つは目標だ。







目標達成したことなんて嘘だ。








目標は別にある。





俺は伊藤の嘘の言葉に返事をしなかった。







伊藤も分かっているのだろう。




俺の顔を見て、話を続けた。







『楽園と呼ばれている世界も夜になると闇の世界じゃないか。
犯罪も起きている。
俺と同じく考えているものは国に異議を唱える。
このままでは戦争に発展するだろう。
そうなれば、国は崩壊するだろう。
しかし、崩壊する前に正しい方向に変えればいいんじゃないか。
正しい方向に変えるため俺達が国を正しい方向に導くべきだ』










俺はそれ以上、聞こうと思わなかった。







嘘の言葉を本気で聞こうとするなんてバカバカしいことだ。







『どうだろう、アカネ・ミコト・タクヤ・ナナミ。俺と国を変えないか』









皆に問いかけている。







俺は他の奴らがこの場にいるのなら、伊藤に言いたい。












「俺に嘘をついても無駄だ」と…









伊藤がいなくなってから、俺はスペシャルステーキセットを食べた。







話の流れから、『今週の日曜日午後一時に駅前に集合』という話になった。








俺は面倒だが、行くことにした。











伊藤を試すいい機会だと思えたからだ。







伊藤が何をするのかがわかるのだから…
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