仮想世界に生きる少年
「先生は夢と現実のどちらでも手に入れられるとしたら、どちらを取りますか」







簡単な質問だった。





俺の状況を説明しなくても答えが聞けるだろう。






先生は考えていた。







「私なら、現実を取るわ。
夢は夢でしかない。
現実はその夢を叶えるためにあるものだから…」








その答えを聞き、先生に相談するのを止めた。







ダメだ…先生に相談しても意味が無い…














俺は家に帰った。




家政婦が夕食を作ってくれた。











俺はご飯を食べて部屋に戻ろうとした時、家のチャイムが鳴った。




家政婦がドアを開けると父親が現れた。






俺は凝視した。




父親に会うなんて、何年ぶりだろう。





父親は俺の顔を見ると「話がある」といい、俺を父親の部屋に入れられた。







初めて入った父親の部屋はきれいに片付いていた。





家政婦が掃除をきちんとしているのだろう。
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