仮想世界に生きる少年
「わかった。入金はどうすればいい」



「この口座に振り込んでくれ」



俺はPCを使い、紙に書かれた口座番号に金を振り込んだ。




「振り込んだぞ」






そういうと男は携帯で口座を確認した。





男はニヤリと笑い、俺の方を見た。






「はじめまして、私はアックというものだ」





「こちらこそ、俺はユキだ」




「ユキ、君はどうして、情報がほしいんだ」




「仕事で使いたいからだ。
アックの答え次第で問題が解決できると思うからな」




「ほう、そうか」





「雑談は良いから、教えてくれ」







アックはニヤリと笑い、俺の方に指をさした。





「ユキ…あんただろ」




「ほう…お客の俺が犯人だと言うのか」






「そうだ」







「根拠はなんだ」






「ユキ…君は事件が起こる前まで軍施設にいただろ。
そこで実行犯と会い、事件が起きた」







「ほう…」








やはり、こいつの能力は『感覚系』か『具現化系』のどちらかの能力者だろう。








俺が二度も…それも同じ人物の存在に気づかないなんてことはあり得ない。








「どうだい、これで満足か」






「ああ…」







俺はマスターにもう一杯カクテルを頼んだ。
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