仮想世界に生きる少年
「アック、もう一つ聞きたい情報があるんだが…」






「なんだ」







「地図やメディアでも知られていない軍施設・もしくは研究施設を知らないか」







マスターが俺の前にカクテルを置いた。







「地図にも…メディアでも知られていないものか…」







男は知っている情報から検索しているのだろう。






俺はカクテルを飲んだ。







男は答えが出たらしく、俺の方を見た。






「ユキ、あるぞ」





「そうか。どこにあるんだぃ」







「百万だ」









俺はまたアックの口座に振り込み、アックは確認した。









「かなり前に入手したものだ。
古い情報だから高くはない」





「わかった。それでどんな情報なんだ」







「ある研究施設についてのことだ」








「ほう…。何の研究だ」









「『才能』だ」







「『才能』ねぇー。それなら、どこにでもある研究施設じゃないか」








「いいや。ただの研究所じゃない」








「どんな研究施設なんだ」













「『多才能力者』を作る研究をしていた研究施設だ」
< 64 / 164 >

この作品をシェア

pagetop