仮想世界に生きる少年
20. 取引
俺は彼らの隠れ家まで連れて来られた。


日当たりの悪く、窓もない。


商店街のような活気さもない場所だ。









この二人の行動を観察した。





下手をすれば、ここで命を落とすことになるかも知らない。









「着いたぞ」






俺は移動させられ、目的地に着くと縄で手足を縛られた。






「ここはどこだぃ」






俺は質問をした。まずは情報を入手することが重要だ。







「…俺たちのアジトだ」





「アジトねー」








俺は周囲を確認しながら言った。







この集団のアジトとは思えない程の光景だったからだ。








「あなた、名前は」







NO.6が話しかけてきた。







「俺はユキだ」







「そう、ユキね…」










NO.6は俺の頭に手を置き、目を閉じた。






俺はただ、彼女の顔を見ていた。








「…本名は…山本…タクヤね」









俺は驚き、頭を揺らした。







強く、何度も振ったので彼女は手を離した。








「もうー、アクセス中に動かないでよ…」









俺の予想は当たった。









こいつ…俺の情報を『検索』しやがった。








「山本タクヤか…」








「…」










俺は二人の男女を見つめた。
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