眼鏡っ仔☆@男子校
体育館への道のりは沈黙で哀しさで
みたされていた。
─────がらっ。
「かんとくー。」
「おー、拓、元気だな。」
「爺くせーの。」
「爺いうな。」
拓と話してる、山村洋平をみながら
菜摘実さんは微笑みをうかべてる。
「好き、だったなぁ…。」
もぅ、届かない人、をみるような瞳。
山村洋平に菜摘実さんは背をむけた。
「はなしてきなよ。」
「…別にいい。」
「じゃあ…」
お兄ちゃんは微笑みをうかべて。
「はなしてきてください。」
「ぇ…。」
「じゃないと僕、格好悪い。」
「そう?」
「命令するよ?はなしてきなさい。」
「なら、してくる。」
菜摘実さんの顔をみると
怒りとか戸惑いとか悲しみとか
そんな色じゃなくて安堵してた。