HEVENCOAL-君の声-
私の顔には嫌々一緒に食べてるという文字が刻み込まれているようだった…

そんななか愛は
「春樹君ってカッコイイよねぇ!」
などと興奮しながら言っていた。

私はハルの方を見た。

すると、ハルの顔は私と同じように嫌々愛の話を聞いているという感じだった。

長々と続く愛の話に、ハルは飽きたのか、さささっと昼ご飯を済ませ行ってしまった。

「あ〜あ。行っちゃった。 なんであんな急いでたんだ!?」

といきなり隣で独り言を言いはじめた愛に私は心の中で答えた。


(愛のせいでしょ)



そのあと私たちは、次の授業が体育だったために体育館に向かった。

体育館の近くの廊下を歩
いていると、

バンッバンッバンッ

という音が聞こえてきた。

私たちは顔を見合わせ首を少し傾げて考えながら体育館に向かった。



体育館に着くと、その音の主がわかった。



それは、ハルだった。


ハルは、一人でバスケットボールを器用に操りバスケットゴールに運んでいた。


私は、その姿にみとれてしまった。



すると、後ろからいきなり誰かに押された。


「キャッ」

いきなり押されたのでハルにばれてしまった。


目があったがすぐそらした。


恥ずかしくて何も言えずになっていた私に変わって愛が「そのままつづけて!」と言った。



すると、ハルは気にせずに続けた。


私はそのときなぜか助かったぁっと心の中で思ってしまった。


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