HEVENCOAL-君の声-
私はその距離の近さに驚きハルを勢いよく押し倒してしまった。

自分では倒す気なんて全然なかったのに倒してしまったのでとてつもなく罪悪感を感じた…

「痛ってぇ…そんなに俺が嫌い…?」

と、ハルが聞いてきた。

「ううん…そんなんじゃないの。ただこんな風に助けられたの初めてだからびっくりしただけ。ありがとう。ごめんなさい。」

と返した。するとハルは

「そっかぁ。ならよかった。こないだから栗坂は俺のこと嫌ってるのかと思ってた。」

と言った。

その言葉に私はなんて返していいかわからなくなった。











………







長い沈黙を破ったのは愛だった。


「麗!なにやってんの?次も移動でしょ!早く行こう。」

といきなり入ってきてから私をハルが抱き抱える体勢だったことに気づいていなかったらしい。

「あっ!ごめん。うち先行ってるわ」

と言っていってしまった。

私は「えっ、あっ待って…。あ〜あ。行っちゃった。絶対誤解してる…あとでちゃんと説明しとくから。」

と慌てて言った。

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