gently〜時間をおいかけて〜
「何か簡単なものを作って食べる?」

そう言ったあたしに、
「じゃあ、それで」

航が返事をしたことを確認すると、あたしはベッドから出た。

フローリングに素足をつけた瞬間、
「――寒ッ…」

氷のように冷たい感触が、足の裏を襲った。

仕方ないので、くつしたを履いてからフローリングに足をつけた。

だいぶ、冷たいのはマシになったかな。

その足でキッチンへと向かった。

「確か、どこかにそうめんの買い置きがあったはず…」

夏に買い過ぎてしまって、そのままなのだ。

それで、煮麺(ニュウメン)を作ることにするか。

ゆでて丼に入れるだけだから、調理は結構楽である。
< 100 / 202 >

この作品をシェア

pagetop