gently〜時間をおいかけて〜
gently6〜空っぽの心〜
航は、どこへ行ってしまったのだろうか?

航が消えてしまってから、あたしの心は空っぽになっていた。

まるで大きな穴が空いたみたいに、そこから冷たい風が入ってくる。

寒い。

寒くて、凍死してしまいそうだ。

何でもいいから、早く戻ってきて欲しい。

何でもいいから、早くあたしの前に帰ってきて…。


12月に入った。

街中では、当たり前のようにクリスマスソングが流れる。

あちこちの店の前には、いろいろな大きさのクリスマスツリーが立っていた。

サンタクロースの格好で看板片手に客の呼び込みをするのは、ケーキ屋だろうか?
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