gently〜時間をおいかけて〜
家の中は暖房が効いていて、温かかった。

窓ガラスに視線を向けると、真っ白に曇っていた。

家と外の温度差がはっきりしてる。

部屋に漂うのは、シチューの匂いだった。

そして、彼女は今日あった出来事を話していた。

「ついでに彼女に寂しい思いをさせたことを謝りなさいって、言っておいた」

どうやら、三島と言う男にはつきあっている恋人がいたとのことである。

ためらいもなくはっきりと断った莢を、俺はたくましいなと思った。

もしかしたら、俺のたくましい性格は莢の遺伝かと思った。

彼女手作りのシチューを口にしながら、俺はそんなことを思った。
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