gently〜時間をおいかけて〜
莢が風呂に入ってる時、俺は父親に電話をした。

「今日は友達の家に泊まるから」

そう言った俺に、
「そうか、迷惑になるようなことをするなよ」

父親はそう言った。

「母さんのことは俺が見てるから」

「――うん、わかってる。

明日帰るから。

じゃ、おやすみ」

電話を切った瞬間、俺は背中に視線を感じた。

その視線に振り返ると、俺は驚いた。

「何だ、いたの」

風呂あがりの彼女がそこに立っていただ。
< 186 / 202 >

この作品をシェア

pagetop