gently〜時間をおいかけて〜
どうして俺は、君を好きになってしまったのだろうか?

母親なのに、どうして愛してしまったのだろうか?

過去で生きてるのに、どうして愛してしまったのだろうか?

俺は、おかしいのだろうか?

泣きながら気持ちを告げた莢を、愛しいと思ってしまった。

愛しいと、感じてしまう。

もう、どうでもよかった。

この時代で結ばれたとしても。

親子の関係だったとしても。

壁があろうが、溝があろうが、そんなのはどうでもいい。

――莢が好き

たった1つの思いを込めて、俺は莢の唇に触れた。
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