gently〜時間をおいかけて〜
あなたと初めて会った場所は、学校の校門だった。

でもずっと前からあなたは学校近くの喫茶店で、あたしを見ていた。

見ていた…と言うよりも、ストーカーしてたって方が正しいだろうけど。

声をかけられたことにビックリして、あたしは戸惑っていた。

あなたが“未来からきた”なんて言われた時、あたしは正直言って信じられなかった。

そんな映画や小説みたいな出来事はありえないって思ったからだ。

でも、本当だった。

本当にあなたは未来からきたんだ…って、そう信じざるを得なかった。

それからあたしたちはほとんど成り行きみたいな感じで、一緒に住み始めた。

あたしの部屋を見たあなたの一言は、“小さいんだな”だった。
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