gently〜時間をおいかけて〜
両親の大学時代にタイムスリップできたのは簡単なことだった。

携帯電話の機能の1つに、時間を巻き戻す機能があった。

それを利用して、俺は未来から過去の世界へとやってきた。

卒業アルバムに記されていた大学の名前は、すぐに見つかった。

もう少し言うならば、そこに通う莢の姿も見つけた。

パーマのかかった黒い髪。

透き通るように白い肌。

整ったキレイな顔立ち。

小柄だけど、服のうえからでもわかる抜群のスタイルに目を奪われてしまった。

俺が知っている母親からは想像できないくらいの若い頃の母親がそこにいた。

なおさら、思った。

過去を変えて、未来をなかったことにしてやる…と。
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