gently〜時間をおいかけて〜
1回も声を聞いたことない人があたしの夫になるって言うの?

それは違うんじゃない?

もしかしたら、他の三島さんだったんじゃない?

あたしはそう思わずにいられなかった。


「じゃ、今日はここまで」
 
無事に本日の講義が終わり、あたしは荷物をまとめた。

土曜日の講義は人が少ない。

あたしと三島くんを含めると4人だけである。

その中で、1年はあたしと三島くんの2人だけ。

残りの2人は2年の人と4年の人である。

荷物をまとめていたら、スマートフォンの画面がチカチカと点滅していることに気づいた。

どうやら、あたしが講義を受けている間に着信があったらしい。
< 33 / 202 >

この作品をシェア

pagetop