gently〜時間をおいかけて〜

そう思いながら、航からきたメールを開いた。

『今どこにいる？』

『航だ、今すぐ連絡してくれ』

２件のメールに書かれていたものはこれだった。

あっ、そっか。

あたしが出て行った時、航はまだ寝ていたもんね。

面倒くさくても、置き手紙くらいは書いておけばよかったな。

あたしは着信履歴から航の番号を取り出すと、スマートフォンを耳に当てた。

コール１、コール２、ガチャッ

「莢！？」

心配したような航の声が、電話越しに伝わってきた。