gently〜時間をおいかけて〜
「どうしたの?

着信あったから、ビックリしちゃった。

何かあったの?」

「今どこにいるんだ!?」

あたしののん気な声なんてどこへやら、心配しているような緊迫した声で航が言った。

「どこにって…学校、だけど?」

航の声に少し戸惑いながら、あたしは彼に居場所を伝えた。

「学校…?」

どこか拍子抜けしたと言うように、航が聞き返した。

「土曜日だけど、授業をとってるの」

「そうか…」

ホッとしたような航の声が電話越しに聞こえた。

「それで、何かあったの?」

あたしは聞いた。
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