gently〜時間をおいかけて〜
そもそも、バイトを探すことすらもやっとじゃないかしら?

そんなことを思いながら、周りに気づかれないように息を吐いた。

チラリと腕時計に目をやれば、ようやく10分が過ぎた程度だった。

おいおい、たったの10分かよ。

あたしは30分くらい経ったと思ったのに。

時間が信じられないように、時々自分の年齢(トシ)が信じられない時がある。

まだ19歳かよと思う時がある。

こっちは80年も生きてきたような気分なのにとなる時がある。

躰は19歳だったとしても、精神の方は年金がもらえるお年頃である。

市役所に行って、年金が欲しいとそう言ってみようかしら?
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