gently〜時間をおいかけて〜
違うことで、航が泣いているんだったらいい。

ふとんの中で、あたしは思った。

チラリと航に視線を向けると、静かに寝息を立てて眠っていた。

まだ涙は流れていない。

今日は、航が泣きませんように。

そう思いながら、あたしは目を閉じた。


白い霧がかかっていて、周りは何も見えない。

ここは一体どこなのだろうか?

何も見えない中、あたしは歩いた。

あ、少しだけ晴れた。

その瞬間、次に見た光景にあたしは言葉を失った。
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