gently〜時間をおいかけて〜
夢の中のあの男の子は、航だった。
小さな躰を震わせて、目が赤くなるまで泣いていた航だった。
「――莢…?」
驚かないって言う方が間違ってるよね?
あたしは泣いているんだから。
「――航は、悪くないよ…」
泣きながらそう言ったあたしに、航は首を傾げた。
「航は、泣かなくてもいいんだよ…。
悪いのは、あたしなんだから…。
あたしが悪いから、航は泣かなくてもいいんだよ…」
自分でも何を言っているのかわからない。
小さな躰を震わせて、目が赤くなるまで泣いていた航だった。
「――莢…?」
驚かないって言う方が間違ってるよね?
あたしは泣いているんだから。
「――航は、悪くないよ…」
泣きながらそう言ったあたしに、航は首を傾げた。
「航は、泣かなくてもいいんだよ…。
悪いのは、あたしなんだから…。
あたしが悪いから、航は泣かなくてもいいんだよ…」
自分でも何を言っているのかわからない。