gently〜時間をおいかけて〜
あたしがいるから?

航の口から聞いた思わぬことに、あたしは戸惑った。

一体何を言っているのだろう?

「ぬくもりがあるって言うか…まあ、そんな感じかな」

ぬくもり――ああ、そう言うことかとあたしは納得した。

「例えるとするなら、電気毛布みたいな」

そう言った航に、
「で、電気毛布…」

あたしは苦笑いすることしかできなかった。

あたしを例えたら、そんな風になっちゃうんだ。

航に対して戸惑った自分を少し恨んだ。

「そんなイメージ」

航が当たり前のように言った。

あたしが電気毛布って、何だかちょっと複雑だ。
< 96 / 202 >

この作品をシェア

pagetop