“ハイツ兜虫”
夜10時から始まった、“宅呑み”は、気付けば時計も深夜2時を迎えるところだった。


既に、缶ビールは6本とも空けられ、部屋に散乱していた。


酔い潰れた下戸のYを尻目に、僕はS太と、残り数本となった、酢ダコを肴に、日本酒の瓶を空けようとしついた。



『そろそろ、2時、“丑三つ時”やなぁ。。“肝試し”には絶好やで!』

酔って腕白具合に更に拍車がかかった、S太が、声高らかに言った。



『そこで潰れとる、Yを早よ起こして、行こうや!』


僕は、酔って布団に頭から突っ伏しているYの背中を、2、3ど揺すった。



『ん、んん、、な、なんや?』


Yは、少し不機嫌そうな表情で、薄目を開けて、僕とS太を見た。





『“なんや”ちゃうわ!そろそろ、行くで!』


S太がYの前に、仁王立ちして、こう言った。



『どこにや?』
寝ぼけたYが、身体を起こしながら言うと、S太はニヤっと笑い、こう言った。









『“泥麓ヶ池(でいろくがいけ)”』や!
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