いつかのMerry Xmas
誤解になんて慣れっこになっていた私は、表情も変えずに首を傾げる。

「知らないわー。
 アイツのことだから、寝坊なんじゃないの?」

「ええーっ。
 早瀬さんって時間にルーズな人じゃないですよね?」


いや、どっからどう見てもルーズな人ですが。時間に間に合ってやってきたところなんて、私はただの一度も見たことが無い。

人が抱くイメージの恐ろしさに、思わず苦笑が漏れる。

電話をかけて欲しい、と言いたそうな視線に気付かないふりで楽屋に向かう。
誰かに頼んで、キーボード運び出して欲しいんだもの――。


なんで、EOS(イオス)ってああも馬鹿みたいに重いんだろう。自分で選んで買ったとは言え、ちょっとうんざり。
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