いつかのMerry Xmas
だから、その意味ありげな笑いの意味が分からないっつーの。

「じゃあ、かねやんでいいや。キーボード、運んでくれない?」

なんで俺が、なんてぼやくかねやんを、私は強引に引っ張って外に連れ出した。


「さむっ」

コートも羽織らず外に出てきたかねやんは、思わず首を竦める。
ちょっと悪いことしたかしら、と、私もさすがに我が侭な自分を反省した。

もちろん、反省したのは心の中だけで、車の鍵を開けてキーボードを運び出してもらう。


「っつか、意味わかんないんだけど。
 一体、かっちゃんもイチローも、何に夢中になってるっていうの?」
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