いつかのMerry Xmas
翌朝、私は軽い頭痛を覚えながら目を開けた。

暖かい布団の中だ。
でも、いつもと何かが違う。


――私、どうしたんだっけ?

私は慌てて身体を起こす。

「ああ、起きた?」

ふわりと笑うのは、まだ髪が濡れたままのイチローだった。

「――あ、あれ?
 私確か昨日は、飲まなかったよね?」

「あれ、覚えてない?
 そんなのズルイー、って言って、人のワイン飲んだこと」

「う、嘘っ」

思い出そうとしても、頭痛がして、上手く記憶が辿れない。

けど、こたつの上に空っぽのワインビンが置いてある。あれがきっと紛れもない事実なんだろう。

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